義母との間には正直確執があった。
義母はなかなか子宝に恵まれず、結婚５年目にやっと夫を授かった。
今だったら５年目ならそれほど深刻でもないんだろうけど
当時は色々言われることもあったらしい。
だから結婚して暫くはふたりきりで楽しみたいとか、
余計なことは考えずに一人はすぐにでも産んでおくようにと
結婚前から言われていた。
でも私は夫とは遠距離恋愛で、結婚と同時に地元を離れ
全く知らない土地で新婚生活を迎えるという不安があり、
しかも四国の田舎もんの私が東京に住むことになるので
それだけでビビっていた部分もあって
決して「遊びたい」と言うことではなく
「慣れるまではせめて２年間」ぐらい子供は作らないつもりだった。
それは婚約中から夫にも了解を得ていたし、夫自身その方がいいと言ってくれていた。
結婚したのが24歳だったから、ピンと来なかったってのもある。

そして結婚して３ヶ月も経つと
義母から妊娠の兆候を聞いてくる電話が頻繁にかかり
夫から私たち夫婦はそういうつもりでいるからと義母に伝えたところ
「産んでしまえばどうにでもなるから絶対避妊なんかしないで」と。
さすがに夫も怒っちゃって「自分たちのことは自分たちでちゃんと考えてるから。
それでもし子供が出来なかったら、それはもうそういう運命だと思ってる。
そういうことまで口出ししてくれるな」と義母を怒鳴りつけた。
その日以来、「口出ししてくれるな」を額面通りに受け取ったかのように
電話どころかたまに義実家を訪れても殆ど口を利いてくれなくなった。
夫も義父も「好きにさせておけ」と言ってたけど
そのことがいつも頭の片隅にあって、500円ハゲが出来たほど悩んだ。

が、幸いにも２年経って妊娠、出産。
その２年後に２人目を出産。
義父は手放しで喜んでくれたけど、義母は私に対してだけでなく
子供たちにも余所余所しかった。
常に一定の距離を保ち、子供が抱き付きにいっても
さりげなく席を立ち、さりげなく背を向ける。
義母が苦労して子供を授かっただけに、
その経験からアドバイスしてくれたんだと言うことは分かっているつもり。
その気持ちは素直に有難いとは思っていた。

だけど、色んなことに自信のない中で
“産んでしまえばどうにでもなる”とは私には思えなかった。
それでも計画通りに授かったことは私は運が良かったんだとも思っている。
だけど孫にまで背を向ける義母に、
その頃から悩むより苛立ちの方が大きくなっていった。
ここまで嫌われるからには、子供の頃以外にも何かやらかしてしまってたのかも知れない。
それはなんだろう？とさんざん考えたが、それももう考えるのは止めた。

昨年その義母が余命宣告を受け、入院退院を繰り返すなかで
家の中のことが何も分からない義父に頼まれて
ある書類を探すために夫実家に行ったとき
使っていないパスポートケースの中から写真が出てきた。
顔の所で真っ二つに破った私の写真が数枚。
それを見つけたとき、心臓がドキドキして震えが止まらなかった。
私の様子に気が付いた義父が、手に持ってた写真に気付いて
「なんじゃこりゃあああ」って優作並みにビックリしたかと思うと
私に土下座して謝ってきた。
義父が謝ることじゃないんだけど、とにかく謝ってきた。
そして義父から
「あれ（義母）があんたに冷たいのは気付いとったが
　どう考えても理由がわからん。
　あれに聞いてもあんたの話になると口を閉ざす。
　理由さえ分かればどうにかできたんじゃが･･･ほんとにすまん」
って言われた。

しえん

好かれていないことは分かってたけど、こんなことされるほどに嫌われていたのか。
そんなに憎くて写真を破り、それを捨てるでもなく
こうやって残しているのはもしかしたら、いつか私が見つけるのを想定していたんだろうか。
穿った見方かもしれないけど、そう思ってしまった。
そうなると今度は私の方こそ、義母が憎くて憎くて仕方がない。
義母の病室で、眠っている義母の耳元でこの疑問をぶつけたかった。
そこまで憎まれるようなことを私はやったのか？と。
耳元まで口を寄せて、何度も言いかけて言えなかった。
良心がどうこうってことではない。
たぶん、言ったことが夫や子供の耳に入る事態を想定して怖かっただけだと思う。
結局和解することもなく義母は亡くなった。
通夜でも葬儀でも一滴の涙も出なかった。

知らない人が見たらきっと穏やかそうなおばあちゃんに見える葬儀の写真、
こんな笑顔を私には一度も見せてくれなかったな。
あの写真を見つけてからずっと心の中は本当に憎しみや葛藤や醜い気持ちで一杯で、
こんなどす黒い気持ちも、義母の置き土産なのかもと思ったらゾッとした。
でもその手に乗るか。あんたのことなんか憎しみと共にとっとと忘れてやる。

しかしその一方で、義母の人生ってなんだったんだろう？って
言葉は悪いかもしれないけど、なんだか義母が憐れに思えてきた。
超長文、すみませんでした。
ずっとどこかで吐き出したかったので。

しえん、ありがとうございました。

忘れて幸せになるのが最大の復習。
もう一秒たりとも、あなたの大切な時間をその糞婆のことを考えることに使ってはいけない。
あと、夫にはその辛かったこと、一度はっきり伝えておいた方がいい。

自力で忘れるのが難しければ、カウンセリング受けるもよし。

憎い気持ちももちろんだけど
そんな風に思われてたなんてやっぱり悲しいよね
旦那さんがあなたの気持ちをすごく理解してくれる人みたいだから
話して思いっきり泣いて忘れたらどうかな

義母はきっとあなたがすぐに妊娠すれば自分の過去が報われるように思ったのかもね。
でもそれはしないで、しかも希望通りに良い間隔で子供を授かってるのを見て
自分の苦労や苦しみが反故にされたように思ったのかも…。
誰も分かってくれないって。
義母があなたと義母を同視してるのなんか感じるし、昔のイビリが人格歪むほど酷かったのかな。
でもそれはあなたを標的にはしてても義母の内面の問題で、あなたには関係ないことだよ。
それが義母にも分かってるから義父に愚痴すら言わなかったのかもよ。
亡くなった人はみんな仏様なんて言うけど、さっさと仏様にして忘れちゃったらいいよ。

憎んでた理由は大事な息子に怒鳴りつけられたことがショックで
それを嫁のせいだと思い込んだからじゃないかな。
もちろん１４４さんはなんにも悪くないので気にしなくていいけど。
長いのにすごく読みやすくて共感できる書き込みだったので
婦人公論とかに投稿してほしいと思ったｗ

トメさんもいろんな思いが絡んでそうなってしまったのだろうとは理解できるけど
嫁にしてみればショックだよねぇ。
「自分は望んでもなかなか恵まれなかったのに、せっかく忠告したのにわかってくれない」とか
あとは計画的にすんなりいってることにうらめしさもあったのかもね。
避けられて辛かっただろうし、後々に見られる可能性もあるものを残されて
悔しい、憎い気持ちもすごくわかるけど、もうこの世にいないんだし忘れて幸せになってね。

レスありがとう。
>>152さんが仰る義母の気持ち、きっとそういう事なんだろうなって思ってました。
ただ、そうやって苦労して産んだ一人息子だから思い入れの強さがあったらしく
それが夫にとっては煩わしいと感じてるというのも気付いてたんですよね。
だから余計に夫には話しにくかった。
それに、それでも夫にとっては母親ではあるわけだし
その母親が妻の写真を顔の部分で破るっていう行為は知りたくないんじゃないかなとか。
何にしろ、言うならその時だったろうから、今からわざわざ言うのも無意味な気がして。

でも義父が全て知ってくれてるってのは多少なりとも支えになってます。
もしかしたら、いつか義父から夫に話すかも。

どんなに頑張っても子宝に恵まれなかった私からしたら
たった一人でも子供を授かって、しかも出来た息子っぽいから
普通なら幸せなババさまになれただろうに、
なんて勿体ない不毛な生き方をした女性なんだろうと
トメさんが憐れにしか思えなかったわ。

なんかね、義母さん可愛そう
舅が土下座っていうのも、なんかなぁ
謝るのはいいけど、そこまですると義母さんの気持ち少しも認めてあげないっていうか
認めるって、嫁を憎むことじゃなくて
そこまでなった自分の女房の気持ちね。息子も含めて
寂しかったんだろうな色々

他人に憐れだと思われる事も
何もかも承知の上だろうし気にしてないだろうよ。
孫が生まれた時や病気になった時に
手のひら返す事もしないんだから。
どうせフェイク入ってるんだろうし。
身近な誰かが事情を知ったら
「姑がそこまでして死んでいくなんて
相当な嫁だ」と思うだろうしね。
ただただ初志貫徹して
誰にも何も言わずに死んでいったんだから
本人は大満足だろうよ。
嫁の産んだ孫も本当に憎いんだろう。

>>160
だろうねえ＞本人は大満足
だからこそ>>144や>>150が言うように
忘れて幸せになるのが一番の復讐だと思う。
だから今更蒸し返して旦那さんに言うのは止めたほうがいいと思う。
どんな相手だろうと、世間的には死んだ人のことを悪く言うのは･･･ってなるしね。
死人に口なしってのもあるし。
まぁ、本人も言うつもりないらしいけどさ。

誰にも言えずに何かを恨んで生きていくなんて
人生がもったいないとしか思えない
それが生きてく糧だったのかと思うと憐れの感情しかない

>>144のトメさんの気持ちがよく分かってしまう自分・・・。

妹にまったく同じことしてしまった。きっかけも原因もたぶん同じ。いまも少しギクシャクしていて、心から笑い合えない。

自分が子作りで苦労したからその体験を元に、息子夫婦にアドバイスしたのに息子に怒鳴られハネつけられ、しかもその後トントン拍子に子供できてる。自分はあんなに苦労したのに。
ああそうですか、私のアドバイスなんていらないのよね、どうぞご勝手に。私は一歩引かせてもらいます。

てな感じで、スネた気持ちがどんどん憎しみに変わっていったんだろうね。

凄い執念だねえ
そんなこと孫が産まれたら孫かわいくなるだろうに…
死後もこうやって嫁を不快にさせていく呪いのようなものだ
やっぱそれ断ち切って夫にも子供にも感じさせないように
仕返しのつもりではなく自分自身が幸せになるのが一番
憎しみをもったりわだかまりをもったりするより
「ごく普通の姑でしたね」と脳内変換して忘れ去ると呪いも解けるよ

144さんは今さらなんて考えず、ご主人に話をしておいた方がいいと思うなあ

>>159
言うのはいいけど、姑が「鬼の心」を持ってた酷い人間みたいに言うのは
あれだよね・・
義母さん、息子に拒否られ、旦那（舅）は無理解で大切な人たちに
切り離された感じで「心のドア鍵かけちゃった」んだと思う
孫にさえ心開かないで、ずっと孤独に閉じこもってそのまま死んじゃった
もちろん嫁さん（１４４）の責任じゃないし、義母さん自身の問題だけど。
嫁さんのせいじゃないのに、嫁さんに当たる（写真破る）
そういうの、自分でも本当は嫌だったのかもしれないよ
誰も本当の気持ち聞いてあげられなかったから、今は確かめようがないけど

>>144
文章上手いね
長文なのにスラスラ頭に入ってきた

>>163
ほんとにねぇ・・ｗｗ
上手いよねｗｗ
姑を偲ぶ会開催中。